弊社製品と他社3製品における”洗濯耐久性”の比較実験
平成23年4月1日
産婦人科用ベビー服専門店 テソロ
あかちゃん肌着専門店 マルマイユ
ディレクター 井上孝輔
①目的
弊社短肌着と他社製短肌着の洗濯耐久性の比較実験をおこなう。
②実験方法
1)実験機材
・洗濯機(タテ型 家庭用)
・乾燥機(業務用LPガス仕様)
2)実験条件
・洗濯 冷水
・乾燥 1.1kg/時間(LPガス消費量)
3)実験手順
・2段階にわけて洗濯実験をおこなう。
なお、洗濯1時間の内訳は、洗い15分、すすぎ3回、脱水9分とする。
段階①(洗濯1時間×1回 + タンブラー乾燥30分)×8セット
段階②(洗濯1時間×3回 + タンブラー乾燥16分)×16セット
4)実験時間
・洗濯時間 合計56時間
・乾燥時間 合計8時間16分
③結果
1)洗濯実験前後の各社製品写真
2)採寸部位図
3)各部位の寸法変化率グラフ(計測数値は⑥に掲載)
ⅰ)衿まわり a+b+c
ⅱ)身幅 d
ⅲ)すそ幅 e
ⅳ)着丈 f
ⅴ)袖丈 g
ⅵ)袖口 h
4)各社製品の洗濯実験後寸法変化率の比較グラフ
④結論
弊社を含めた4社の短肌着の実験データを見ると、全社製品に共通していることは(※1)着丈が16~21%(弊社17.1%)縮んでいることがわかる。これは肌着がニット(メリヤス)製品と呼ばれるもので、洗濯で生地の編み目のループ形状が変化することにより縮みが発生してしまうためである。なお、通常洗濯1回目の縮み率が一番大きく、洗濯を繰り返すうちに縮みは安定していくが、一旦縮んでしまうと元の状態(風合いと形状)に戻すことはできない。
弊社製短肌着が他社製短肌着と大きく違うところは、横方向への強さである。弊社製品が横方向へ1.3~5.5%縮んでいるのに対して、他社製品は4.5~38%伸びていることである。これは衿まわりの形状安定にも関係しており、弊社製品は6.5%の伸びに留まっているが、他社製品は8~38.7%の伸びがみられ、その形状変化は写真からも判断できる。
以上の結論は、既存納品先の産婦人科様から頂いている評価「洗濯しても衿まわりがしっかりしている」「洗濯しても形がくずれない」の証明にもつながった。
弊社では今回の実験データを活かすために、短肌着の着丈を+3cm長く仕様変更をし、洗濯後の縮を補うように製品改良をしていく。
<※1 着丈:洋服の縦の長さ>
⑤補足(弊社の短肌着が洗濯に強い理由)
他社を含め市場に出回っているベビー肌着の多くは『(※2)フライス生地』を使用している。この生地はリブ状に編むので表目と裏目が交互に見え、伸縮性が大きいのが特徴であるが、繰り返しの洗濯で縮む力が弱くなり、次第に伸びてしまう場合がある。
弊社では『フライス生地』よりも高価な両面編組織の『(※3)スムース生地(日本製)』を採用している。スムース生地は2つのフライス生地を腹合わせに編んだ組織で、適度に伸縮性があり、編み地も安定している特徴を持っている。
弊社はこのスムース生地の採用により産婦人科様のニーズである「洗濯してもしっかりした肌着」を追求できている。
なお、弊社では生地に使用する糸の太さを変えることで、薄手と中厚手のスムースを用意している。
⑥洗濯実験計測数値
数寸法変化と寸法変化率の ”伸び” は赤文字で表す。(縮みは黒文字)
以上。